1960年代:ラ・ドルチェヴィータとモネーテ
1960年代、ブルガリはさらにグラマラスな変貌を遂げました。ブルガリ家3代目に当たる3兄弟のジャンニ、パオロ、ニコラが家業を継いだのです。 そして、エレガンス、洗練さ、また見る人の心を捉えて離さない魅力を象徴する、世界から絶賛されるブランドへとブルガリを押し上げました。
「ドルチェヴィータ(甘い生活)」と呼ばれるブルガリの繁栄期、ローマのコンドッティ通りにある店舗には、世界的な映画スターが次々と訪れました。 店には美麗なコレクションに魅せられたソフィア・ローレン、イングリッド・バーグマン、エリザベス・テイラー、モニカ・ヴィッティ、アニタ・エクバーグといったセレブリティたちが足繁く通い、以前とは比べ物にならないレベルでその名が広く知られることとなりました。それはまさに、ドルチェヴィータそのものを象徴しているかのようでした。
エリザベス・テイラーのブローチとネックレス、1958年~1962年。撮影:Barrella - Studio Orizzonte Gallery
エリザベス・テイラーのブローチとネックレス、1958年~1962年。撮影:Barrella - Studio Orizzonte Gallery
映画『ボッカチオ'70』の記者会見でブルガリを着用したアニタ・エクバーグ、ローマ、1961年5月29日。Archivio Riccardi
映画『ボッカチオ'70』の記者会見でブルガリを着用したアニタ・エクバーグ、ローマ、1961年5月29日。Archivio Riccardi
エメラルドとダイヤモンドのパリュールを着用したモニカ・ヴィッティ、1963年。撮影:Karen Radkai
エメラルドとダイヤモンドのパリュールを着用したモニカ・ヴィッティ、1963年。撮影:Karen Radkai
1960年代、現代的なデザインのジュエリーにアンティークコインを合わせるという革新的な試みも始まり、有名なモネーテ コレクションの礎が築かれました。 熱心なコインコレクターであったニコラ・ブルガリが、このクリエイティブな融合を指揮しました。古代ローマにまで遡る、コインジュエリーの長い歴史に着想を得たコレクションが誕生したのです。
コインの形状を変えることなく、本来の輪郭に合わせて設計されています。コントラストが強調されたメタル使いが、このクリエイションの特徴となっています。
広告キャンペーン「Vedute di Roma」、1960年~1965年。ダイヤモンド ネックレス、1960年代。撮影:Robert Emmett Bright
広告キャンペーン「Vedute di Roma」、1960年~1965年。ダイヤモンド ネックレス、1960年代。撮影:Robert Emmett Bright
広告キャンペーン、1970年~1980年。「モネーテ」コレクション、1970年代。撮影:Gaio Bacci - Roma
広告キャンペーン、1970年~1980年。「モネーテ」コレクション、1970年代。撮影:Gaio Bacci - Roma
1966年に制作された初のコインジュエリーは、ギリシャやローマのコインを埋め込んだものでしたが、その後数十年の間にコインの種類は増え、いろいろな国から集められた年代も様々なコインが使われるようになりました。 現代と歴史を組み合わせるという個性的なデザイン手法は、ハイジュエリー界の先駆者というブルガリの地位をさらに強固なものとしたのです。